月: 2020年10月

ゴルフと特許

今回は少し趣を変えて、くだけた記事をUPさせて頂きます。
当職はゴルフをするのですが、昨今の状況もあり、控えておりました。
先日、ようやく約1年2か月ぶりに、本年最初で最後になるであろうゴルフをしてきたのですが、今年に入ってからゴルフクラブを握るどころか、運動を全くしていなかったせいで多くのボールをロストしてしまいました。
その際、過去に先行調査の依頼を受けた案件で、印象に残っていた公開公報(WO2017-057157)を思い出しましたので、ご紹介させて頂きます。

日本企業の出願で、ゴルフ用のドローンに関する発明になります。
要約すると、カメラと、カメラが撮影したボールの画像を演算する演算部と、コースの情報が記録されているデータベースと、GPS機能と、制御部と、通信部が内蔵されているドローンを用いて、プレイヤーが打ったボールの画像情報からボールの移動経路を予測・追尾して落下地点の上空でホバリングをするとともに、その位置情報をゴルフカート上やスマホ上に表示するというものです。(下に示します該出願の図面をご覧頂ければそのアイデアが一目瞭然かと思います。)
もし、実現されれば、ボール捜索の時間は大幅に短縮されることになります。(ラフにあるばずなのに見つからない、でも諦めたくなくて時間を費やして後続の組に迷惑をかけてしまう、ということも防止できることになると思います。)

また、該出願には、このドローンの様々な使い方も提案されております。
例えば、ショットする際、グリーン方向やピンが見えないケースがあります。
通常は、同伴者がショット方向に立って目印となってくれますが、コースの情報が記録されていることから、このような役割もこのドローンにさせることができると記載されています。
さらに、ボールの落下場所がOBゾーン等、ショットできない場所にある場合には、ボールを回収して戻ってくることもできると記載されています。

該出願は現在、日本、米国、中国において審査が行われており、補正の後、特許になる可能性があります。
また、光学機器メーカーが出願人ですし、ゴルフをされる方にとっては便利なものと思いますので、製品化されて発売される日が来るかもしれません。(少なくとも、当職は絶対に買いたいと思います。)

さらに、ゴルフ場にとってもスロープレーを解消できることになりますので、メリットがあると思います。
将来、ゴルフ場に行った際、フロントでスコアカードケースと一緒に小型ドローンを渡される日が来るかもしれません。