月: 2020年11月

発明が完成したら気を付けること(弁理士 岩佐)

弁理士の岩佐です。
今回は、発明が完成したら気を付けること、についてお伝えいたします。

「こんな発明をしたので特許を取りたいんです」と相談に来てくださる方。
詳しくお話をお聞きすると、

 「試作品を展示会でお客さんに見せたらとても好評で・・・」
 「このアイディアを講演会で話したら質問がたくさん来て・・・」

というように、発明を他の人に見せたり話したりして感触が良かったので特許を取りたいと相談に来られる方が多いように思います。
確かに、せっかく良いものができたのなら他の人にも見せたい、話したいと思いますよね。
そして、その評価が良ければ「他人にマネされたくない」と思い、そこで初めて「特許を取ろう!」と思われるのだと思います。

しかし、特許権というのは、当たり前ですが、どんな発明にでも与えられる権利ではありません。

特許権とは、産業の発展に寄与する発明をした者に対して、その発明を世の中に公開する代償として独占的に与えられる権利です。
ですので、すでに世の中に知られている発明(これを公知発明といいます)については特許権を与える意味がなく、特許の保護対象にはならないのです。

「いい発明ができた!」と思ったときは、一度立ち止まって特許として権利化しようとする可能性はないかよく考えて頂ければと思います。そして、その可能性が少しでもあるのであれば、特許出願前に発明を他人に開示してはいけません。どうしても出願前に発明を開示する必要がある場合には、秘密保持契約を結んでおく等の対応が必要になります。
一方、出願後であれば(それがまだ特許として登録されていなくても)、サンプルを配ったり、他人に話したりしても構いません。

ここでご注意いただきたいのは、発明が公知になったかどうかは、発明を知られた人数に関係ないということです。たとえ一人だけに知られたとしても、その人が秘密保持義務を負っていないのであれば公知になります。

また、発明が実際に知られていなかったとしても、公然と知られる状況または公然と知られるおそれのある状況に置かれた場合(これを公用といいます)も、権利化することはできません。例えば、発明品を展示会に出展したけれど、誰一人来てくれなかったといった場合でも公用にあたります。

では、もう公知・公用になってしまった発明は絶対に特許は取れないのか?ということですが、これに対する救済措置として「新規性喪失の例外規定」というものがあります。

これについては、次回お伝えしたいと思います。