年: 2022年

3月27日の相談会は中止させて頂きます。

3月27日(3月第四日曜日)の無料相談会につきましては、中止をさせて頂きます。

理由ですが、特許庁データベース(J-PlatPat)が、3月25日(金)21:00~3月28日(月)9:00の間メンテナンス期間に入り、使用ができなくなることから、的確なアドバイス(特に商標に関するアドバイス)が出来なくなるためです。
なお、受付フォームはシステム上、特定日の受付の締め切りができないことから、ご予約の入力・送信が出来てしまい、自動的に受付完了の返信メールが送信されることになりますが、3月27日についてはご予約をされても相談をお受けできませんので、ご了承の程よろしくお願い申し上げます。

4月10日(4月第二日曜日)は通常通り、無料相談会を開催致しますのでご活用下さい。

マルチマルチクレームが廃止されます。

本日特許庁HPにおいて、いわゆる「マルチマルチクレーム」が、日本国においても令和4年4月1日(新年度)から禁止されることがアナウンスされました。
どういうことかと言いますと、多少誇張した言い方になるかもしれませんが、極めて大雑把に言うと、今まで可能であった「発明の多面的保護」が出来なくなる(出来難くなる)ということになります。
新年度以降に特許出願や実用新案登録出願をされる方々にとっては、非常に大きな留意事項になりますので、今回、新着情報としてご紹介させて頂きたいと思います。

まず、「マルチマルチクレーム」とは何か、ということを説明させて頂きます。
特許出願や実用新案登録出願を行う際、出願人は複数の出願書類を作成する必要がありますが、その内の1つに【特許請求の範囲】(実用新案登録出願の場合には【実用新案登録請求の範囲】)という書類があります。
この【特許請求の範囲】は更に【請求項(クレーム)】という単位で構成されており、以下のような表現で記載されることが多いです。
【請求項1】Aを有することを特徴とする組成物。
【請求項2】Bをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】Cをさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】Dをさらに有することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】Eをさらに有することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の組成物。

ここで、【請求項1】のことを「独立項(メインクレーム)」と言います。
一方、【請求項2】~【請求項5】は自分よりも上位の請求項を引用している形式になりますので、このような請求項のことを「従属項」と言います。
そしてこの「従属項」については、更に、どの(いくつの)請求項にぶら下がっているのかによって、「シングルクレーム」、「マルチクレーム」、「マルチマルチクレーム」の3つに分類されることになります。
「シングルクレーム」は、引用先の請求項が1通りしかない請求項のことを言います。
上記例では【請求項2】が、引用先が1通り(請求項1)のみになりますので、「シングルクレーム」になります。
「マルチクレーム」は、引用先の請求項が複数存在する請求項のことを言います。
上記例では【請求項3~5】が、引用先の請求項が複数になりますので、「マルチクレーム」になります。
「マルチマルチクレーム」は、「マルチクレーム」の中でも、引用先の請求項に「マルチクレーム」の請求項が含まれている場合の請求項のことを言います。
上記例では【請求項4】と【請求項5】が、マルチクレームを含んでいることから、「マルチマルチクレーム」になります。請求項4は請求項3(マルチクレーム)を含んでおり、請求項5は請求項3(マルチクレーム)および請求項4(マルチクレーム)を含んでいます。
(なお、請求項3は引用先の請求項がメインクレームとシングルクレームですので、「マルチマルチクレーム」に対して「シングルマルチクレーム」と呼ばれることもあります。)

今回、この「マルチマルチクレーム」を記載することが禁止されることになりますが、「マルチマルチクレーム」が大変使い勝手が良い記載方法であることをイメージして頂くために、上記例をもう少し分かり易く、味噌汁を例にして書き直してみます。
【請求項1】豆腐を有することを特徴とする味噌汁。
【請求項2】ワカメをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の味噌汁。
【請求項3】油揚げをさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の味噌汁。
【請求項4】大根をさらに有することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の味噌汁。
【請求項5】ネギをさらに有することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の味噌汁。

さらに分かり易くするために、各請求項の内容(具材の組み合わせ)で書き直してみます。
(赤字・青字部分がマルチマルチに該当する部分になります。)
【請求項1】豆腐
【請求項2】豆腐+ワカメ
【請求項3】豆腐+油揚げ、豆腐+ワカメ+油揚げ
【請求項4】豆腐+大根、豆腐+ワカメ+大根、豆腐+油揚げ+大根、豆腐+ワカメ+油揚げ+大根(赤字部分が請求項3とマルチマルチの関係)
【請求項5】豆腐+ネギ、豆腐+ワカメ+ネギ、豆腐+油揚げ+ネギ、豆腐+ワカメ+油揚げ+ネギ、豆腐+大根+ネギ、豆腐+ワカメ+大根+ネギ、豆腐+油揚げ+大根+ネギ、豆腐+ワカメ+油揚げ+大根+ネギ(赤字部分が請求項3とマルチマルチの関係、青字部分が請求項4とマルチマルチの関係)

どうでしょうか。
請求項3(シングルマルチクレーム)までは組み合わせがそれ程は多くなりませんが、マルチマルチクレームとなる請求項4以降は組み合わせがぐっと増えて来るのがお分かり頂けると思います。
つまり、「マルチマルチクレーム」という記載形式は、請求項の最後の書き方を「請求項1~請求項●のいずれか一項に記載の…」という表現とするだけで、組み合わせを加速度的に増やすことができる記載形式なのです。
今まではこの記載形式がOKだったので、少ない請求項の数で(印紙代を節約しつつ)、且つ発明を多面的に表現することができたのですが、令和4年4月1日以降は認められなくなります。
マルチマルチクレームを認めてしまうと組み合わせが多岐に渡ることになり、審査の際に全ての組み合わせを洗い出してチェックしなければならず、審査に負担と時間がかかるというのが大きな理由です。
従って、令和4年4月1日以降は、印紙代を考慮しながら、従属項の書き方をどうするのか(どの請求項を引用先とするのか)を検討して出願することが非常に重要になってきます。

詳細は特許庁HPをご覧下さい。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/letter/multimultichecker.html

事務所だより🌷

図面作成、事務を担当させて頂いておりました的場です。

私事で大変恐縮ですが、本日(2月15日)をもって岡特許商標事務所を退所することになりました。
2016年の春から図面作成を担当させて頂き、また、その他の業務に関しましても、クライアントの皆様方には大変お世話になりました。改めて御礼を申し上げます。

初めて知財の仕事に関わらせて頂き、「ものづくり」にたいしての見方が変わりました。
身の回りにある全ての商品、ロゴマーク等、上辺の見方だけでなく、ロゴマークに対しての熱い想いや、目の前の商品に関しては、生産者様がどうやって今よりより良い商品を作ることができるであろうかと、日々研究に研究を重ね、苦労し、やっとの思いで世に出回る。
それにより、私たちの生活が更に円滑に回っていく。
そう言った、知財に関わることがなければ考えもしなかった事が見えるようになったという事は、私にとって実のある5年10ヶ月だったと思っております。

今後は、知財に直接かかわる職業ではないのかもしれませんが、勉強させて頂いたことを糧にし、今後も精進してまいりたいと思います。

どうもありがとうございました。

1月9日の相談会は中止させて頂きます。

1月9日(1月第二日曜日)の無料相談会につきましては、私用のため中止をさせて頂きます。

なお、受付フォームはシステム上、特定日の受付の締め切りができないことから、ご予約の入力・送信が出来てしまい、自動的に受付完了の返信メールが送信されることになりますが、1月9日についてはご予約をされても相談をお受けできませんので、ご了承の程よろしくお願い申し上げます。

1月23日(1月第四日曜日)は通常通り、無料相談会を開催致しますのでご活用下さい。

新年のご挨拶

謹んで新年のご祝詞を申し上げます。
旧年中は格別のお引立てを賜わり誠にありがとうございました。
お陰様で弊所は開所以来12度目の新年を迎えることができました。
これもクライアント様を始め、皆様のご高配のお蔭と衷心より厚く御礼申し上げます。
本年もご期待に沿えますよう一層精励致しますので、何卒倍旧のご愛顧を賜わりますようお願い申し上げます。

岡特許商標事務所 所長 弁理士 岡 健司